7月13日(土)@水鳥谷
天気曇りのち雨
メンバー:はるき、いわべぇ、ぎんさん、ひよこちゃん
タイムテーブル
09:30 大学発
10:18 踏査開始
11:09 ヤマビルパニック
11:19 休憩
12:20 昼休憩
12:37 クマスプレー練習
13:37 踏査終了
15:05 大学着
今日は1年生2人と雨上がり水鳥谷でした。水鳥谷はキラキラ踏査として有名なはずなのですが、この時はまだあんな悲劇が起きるなんて予想もしませんでした...
踏査を開始し林道を歩いていると、木の上に泡の塊がありました。
これはモリアオガエルの卵です。日本では泡状の卵塊を生むのは本種の他にシュレーゲルアオガエルのみです。シュレーゲルアオガエルは地中に産むのに対して、モリアオガエルは目立つ樹上に産むことが多いです。卵塊の下には池や川があり、そのまま下に落ち成長していきます。しかし今回は、水溜まりの上に産んでしまっていたため干上がってしまうと死んでしまうことがあります。皆さんも卵を産むときはしっかりと場所を考えてから生みましょう。
その後、林道を歩いていくとうごめく影が...
この黒い尻尾どこかで見たことあるぞ??そうですカラスヘビです。
恥ずかしがり屋さんなのか穴の中に潜ろうとして顔を見せてくれませんでした。さらに、脱皮している途中でしたが、その美しさは健在でした。近くにシマヘビもいたのでもしかして交尾中??お邪魔してしまったかもしれません...ごめんね...
休憩中にカサカサと音がしました。またまた黒い影が!カラスヘビかな?と思い観察してみるとお腹が黄色い!??あ...これは...
ヤマカガシだああ!!
ヤマカガシは本州にいる毒ヘビの一種で、マムシより強い毒を持っています。噛まれたら死ぬ危険性があります。また頸部皮下にも毒があり、目などに入ると失明する可能性があります。この毒はヒキガエル由来のものでヒキガエルを食べないと溜まりません。そのため毒をもっていない個体もいます。しかし、性格はおとなしく向こうから襲ってくることはほとんどありません。ですから見かけてもそっとして、噛まれないように観察しましょう。
その後、ヤマカガシの幼蛇がいました。幼蛇は大人とは模様が異なり赤と黒の交互で色彩はとてもきれいです。これは警戒色であまり他の生き物を寄せ付けないためと言われています。しかし、クマ研の我々には通用しません!!しっかり観察させていただきました。幼蛇とはいえ毒はしっかり持っているので気をつけましょう。幼蛇はかわいいですね。
さらに奥へ進んでいくと謎の頭骨が落ちていました...
見た限りヒトではなさそうなのでよかったです。大きさや歯の形状的にイノシシ、シカといった大型の草食獣だと考えられます。前頭骨にツノが生えていないためウシ科であるカモシカではないと推測されます。次に、眼窩と側頭窩が区別されるためイノシシではないと考えられます。最後に角が生えていた形跡もないため、おそらくオスジカではなくメスジカだと予想されます。
周りを探してみても他の骨は落ちていなく、鼻先の骨が砕けていたため別のところで死に、流れてきたと予想されます。様々な知識をフル動員し推測してみましたが正しいかは分かりません。こういう時にさっと分かるといいのですが全然わからなかったので勉強が足らないなと実感しました。
今日は最後に処分するクマスプレーがあったため、噴射の練習をしました
そもそもクマスプレーとはなんでしょうか?クマスプレーは護身用で使われる非殺傷兵器「催涙スプレー」の一種のことです。トウガラシの辛味成分であるカプサイシンを多く含んでおり、皮膚や粘膜に触れると激痛が走ります。これをクマが近づいてきたときに噴射し、クマが苦しんでいる間に安全なところまで逃げるということになります。実際、クマスプレーを使ったことで、怪我率や死亡率は低くなったという研究成果もあります。私たち人間の命は勿論、クマの命も守ることが出来るスプレーです。しかし、これを使うにあたっても様々なリスクがあります。
クマスプレーの射程距離は5mとあまり広くありません。また、正確に頭を狙って噴射しようと思ったらもう少し近くなってから噴射しないといけません。そこまで近くにくるまで恐怖に勝てるでしょうか?おそらく厳しいと思います。また風向きによっては噴射後自分にかかるという危険性もあります。そういう意味ではクマスプレーは自爆テロなのかもしれません。クマに襲われるくらいならカプサイシンをともに浴びよう、こんな精神が必要なのかもしれません。またクマスプレーにはクマを誘引する物質が含まれているので無駄打ちもあまり良くありません。本当に必要な時だけ噴射するようにしましょう。
クマの被害を減らすのに本当に必要なのは事前に会わないようにすることです。クマ鈴をつけ、音を出したりしてこちらの存在を伝えること、先にクマにこちらの存在を伝え、クマのほうから離れて行ってもらうことが大切です。クマのことしっかり理解し、もしものときに備えて準備してことが大事です。
練習で噴射した後の帰り道で急に咳が止まらなくなり、目が痛くなってきました。先ほどのスプレーの成分が風で流れてきたようです。しっかり風向きを考えて噴射したつもりでしたが甘かったと思いました。少ししか浴びていなかったのに本当に苦しかったです。これを直接浴びたことのある某先輩はよく生きていたなと思いました。皆さんも噴射するときは風向きや逃げる方向をよくよく考えてからやりましょう。
今回は様々な生き物や痕跡、クマスプレーの強さなど知れる良い踏査になったと思います。この経験を今後の活動に生かしていきたいです。
(はるき)
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