踏査報告(水鳥谷)

2019/5/18(土)

目的地 水鳥谷

天気 くもり

メンバー はるき なかつ ゴーシュ ためいち

9:21 大学発

10:14 水鳥谷着

10:25 踏査開始

11:37 昼休憩

14:00 踏査終了

14:52 大学着


本日は後輩の初運転ということで比較的運転が楽な水鳥谷へ行ってきました!

初心者らしい安全運転で山道を走ること1時間近くで無事水鳥谷へ到着。


今日はあまり天気が良くなかったので蝶はとんでないかなと思っていたのですが、さっそくカラスアゲハがお出迎えしてくれました。ひらひらと僕の周りを飛び、さっそうと山の奥へ消えていきました。今日は何かいいことありそうだなあ、そんな予感がしました。


踏査を開始してほんの数分後のことでした。左のほうで何かが動きました。かわいいモフモフのお尻がふりふりと左右に揺れている姿が見えました。カモシカです!


つぶらな瞳でこちらを覗き、様子をうかがっているようでした。そして、数歩進むとまたこちらを覗いてきます。それをずっと繰り返していました。シャッターチャンスが止まりませんでした。ファンサービスありがとうございました。


カモシカには別れを告げ、林道を歩いていると様々な動物たちの痕跡が見られました。フンでは、シカフン、イノシシフンがたくさん見られましたが、クマフンの発見には至りませんでした。まあアイドルはトイレしないというので、僕にとってクマはアイドルみたいなものなのでフンをしないのでしょう。そういうことにしておきましょう。ほかには足跡がたくさん見られ、痕跡の勉強にはうってつけな場所でした。一番目についたのはシカの食痕でした。この地域は豚コレラの影響により禁猟区域となっています。そのため冬を越したシカが増えたのでこんなにシカの食痕が見られたのでないかと考えられます。もし、シカが増え続けたらエサ不足で山を下りてくるかもしれません。今年は禁猟の影響がどう出るか気になります。



痕跡を見ながら歩いていると、なにやら黒くて長いうねうねしたものが動いていました。そうです、カラスヘビです。


本州でこんなに黒いヘビを見たことがなかったため少し驚きました。カラスヘビはシマヘビの黒変個体で、よく見るシマヘビとは色が異なります。話には聞いたことがありましたが、ここまで美しいとは思いませんでした。

黒いヘビは本州には3種ほどいると言われています。シマヘビ、ヤマカガシ、マムシのいずれらの黒変個体です。ヤマカガシ、マムシは毒蛇なので黒いヘビがいたと思って捕まえて噛まれでもしたら大変です。見分けがつかないときは手を出さないのが一番です。しっかり勉強してから観察しましょう。


その後、普通のシマヘビ、再び別の黒変個体のシマヘビと出会いつつ奥へと進んでいくとなんとクマハギを発見しました!!さらに比較的新しいものだと推測されます。


クマハギとは、クマが針葉樹の樹皮を剥いだもので、これをやられると木が枯れてしまったり、木材としての価値が著しく低下します。実は、クマハギではまだ分かっていないことがたくさんあります。そのため、私たちクマ研ではクマハギがどのような条件で起きやすいのかを調べたりもしています。クマのことを正しく理解することで正しい対策もとれるようになります。クマ研の目標でもある「人とクマの軋轢をなくす」ためにもまだまだ勉強することはたくさんあるなと感じました。


今回の踏査はたくさんの自然を感じられ、様々な生き物にも触れることもでき素晴らしい踏査になったと思います。多少崩れているところがあり、歩きにくいところもありましたがクマを期待できる踏査地です。今後の踏査が楽しみです。

(はるき)

岐阜大学ツキノワグマ研究会

ツキノワグマ研究会のホームページへようこそ! 当ホームページでは、ツキノワグマを研究する私達の一風変わったサークルの紹介と、 サークルのメンバーによる多くの写真を紹介したりしています。 どうぞごゆるりとご覧下さいませ。 毎週火曜日18時20分から34教室で定例会をしています。 興味を持った方は是非見学にいらして下さい。

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