メンバー:とわっちゃん ゴーシュ ツバえもん
<タイムテーブル>
8:50 大学発
9:00 コンビニ
10:21 踏査地着、踏査開始
11:50 行き止まり→引き返す
12:20 踏査終了
12:50 三段滝着
13:20 三段滝発
14:10 樽見駅休憩
15:02 大学着
<踏査内容>
久々の踏査である!サークル活動解禁以降なかなか人が集まらなかったが、ついにこの時は来た。なんと約1年ぶりなのだ。ここで何も痕跡が得られなかったらもう放心状態になっていたであろう。だが、ご安心あれ。先輩と後輩の痕跡発見パワーにより踏査は実を結んだのである。
車で走ること1時間半、山中の林道入口にたどり着いた。ブナ、イヌブナ、アカシデ、イヌシデ等、夏緑樹林が広がる日当たりのいい場所である。夏は下草に覆われ、林道を通りづらいが、今回は冬も近くに来ている頃だったため、道は開けていた。
林道ではサル糞、イタチ糞、シカ糞、猪フン、イノシシ足跡を次々と見つけ、クマの痕跡への期待度は増していく。
↑イノシシの足跡。副蹄がはっきりとついているのがポイント。
テンの糞か。イタチやテンは目立つ場所に糞を落とす。この糞は自分の指くらいの直径(10㎜程度)だったため、テンと判断した(イタチは6㎜前後らしい)。
参考文献:「フィールドで出会う哺乳動物観察ガイド」(誠文堂新光社)
林道を行く中、突然脇から「ドゥルルルルルル…!」と重々しい羽音が美味しそうな丸い体と共に飛び出し、森の中へと消えていった。キジの仲間、ヤマドリである。ヤマドリはキジやニワトリと同様、重そうな胴体に小さな翼がチャームポイントであるが、長距離飛行には適していないようである。合計4個体が飛んで行ったため、群れで居たのだろう。
さらに進んでいくと、ツバえもんが足元に黒い大きな塊があるのを発見!
やや!コレは間違いなくクマ糞!手のひらサイズのデカいウンコ!これはクマが何日か前にしたものではないか!?踏査来てよかった~♪
中身はミズキの種が含まれていた。ミズキは温帯に自生している植物で、岐阜大学内でもいくつか植わっている。この踏査地にはミズキも生えているため、クマの食痕も観察できると思われる…!
などと考えていること十数分、とわっちゃん先輩が頭上に違和感を覚えた。とある一本の落葉樹、不自然に一か所に集まる小枝。樹皮にはなんと爪の痕。これはアレだ、クマ棚に違いない!!
これがクマ棚の写真。クマは木のてっぺんに上り、枝を手繰り寄せて折り、木の実を食べるのだそうだ。食べ終わった枝を尻の下に敷くため、それが積み重なる。これをクマ棚と呼んでいる。幸い葉がついていたためそれを用いて同定したところ、ミズキの木であると分かった。クマがここで食事をしたのち、しばらくして近くの林道で糞を落としたと推測してみた。立て続けにクマの痕跡を見つけ、ほくほくした気分になった3人であった。
↑これがミズキの葉。湾曲して長く伸びる特徴のある樹木である。
他にも、クマハギ、シカハギなど、多様な痕跡が見られた。ここまで痕跡であふれている踏査地はなかなか無い。今回来て本当に良かったと我々一同は思った。嬉しさのあまり移動中に会話がなかったくらいの喜び様である。
踏査終了後、有名な観光地「三段滝」を訪れた。ここには何度も来ているが、何度見ても滝の階段状に落ちていく様は圧巻である。
プチ観光を終え、いざ帰らんと車を走らせていたその時、とわっちゃん先輩が山の斜面に黒い生命体を発見。クマかと疑ったそうだが、ニホンカモシカであった。ニホンカモシカには体毛の色において変異があり、北のものほど白く、南の個体ほど黒くなる傾向がある。この個体は体毛の黒い型で、私が黒色型を見るのは初めてであった。一般にカモシカは警戒心が薄く、人に見つかっても気にせず下草を食べているマイペースな姿はさすがに心配であった。
黒いカモシカ。車から降りる我々の様子を見ていたが、しばらくすると我々のことは気にせずに下草を食べ始めた。
無事大学に着いた。次は今回拾ったクマ糞の分析である。ミズキ以外に何を食べていたのか。乞うご期待である!
(ゴーシュ)
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