こんにちは、はるきです
今日はフン分析を行いました。フン分析とはその名の通りクマのフンを分析し、どんなものを食べたのかを調べる調査です。ツキノワグマは草食よりの雑食なので植物をたくさん食べます。なので、フンをした時期や生息する山の植生によってフンの内容物も大きく変わります。分析方法はフンをふるいにかけ水で洗い流していき、残った内容物をピンセットを用いて仕分けていくという地味なものですが、やってみると面白く、甲虫の羽や足などがきれいに出てくると感動すら覚えます。分析したフンは乾燥させた後に重量を計測し、それぞれの結果を記録していきます。ひとつのフンでは分からないことはたくさんありますが、記録を何年も重ねていくと見えてくるものがあります。時期によって内容物の変化、生息している山の植生の特徴、年度ごとのエサの豊富さなど様々なことがわかります。これを通してクマについて理解していきます。ちなみに僕は秋のフンが一番好きです。堅果類の欠片がたくさん出てきて冬に備えてたくさん食べているが伝わってきます。時にはどんぐりが丸々出てきて、お前噛まなかったのかよ…食べた意味ねえじゃん…と思ってしまいます。クマってかわいいですよね笑
今回は昨年度の残りのフンと先月の定点観測のときに拾ったフンを分析しました。定点の時に拾ったフンは普段の調査している地域とは違うため、植生も異なるので内容物も変わってきます。なので、分析するのが楽しみでした。拾った時の詳細は「定点観測!」をご覧ください。
一つ目は、昨年度の残りのフンを調べてみました。4月末に拾ったフンのようでとても植物片が多かったです。おそらく山菜や新芽を食べたのでしょう。ひたすらピンセットで仕分けしていくのが大変でした。堅果類の欠片や虫の残骸といったものもほとんどなくいかにも春のフンって感じでした。
二つ目は、先月拾った楽しみなフンを調べました。すると、何かの種子や硬くて黒くて大きめな何か(木の樹皮?)がたくさん出てきました。普段の拾うフンにはあまり見かけないものでした。乾燥させて詳しく見てみないと断言はできませんが内容物で考えてみると、おそらく秋ごろにしたフンではないかという結論に至りました。秋にしたフンが冬を越えて春に僕たちが拾ったということでしょうか。そう考えるとなんだかロマンチックですね。クマが残してくれたメッセージを時を越えを僕たちがそれを探し出したという。フンは見つかるまでずっと待っていてくれるとは限りません。雨で流れたり、糞虫に分解されたりといなくなってしまいます。儚い存在であるフンに出会えたのは奇跡といっても過言ではありません。この奇跡に感謝。
このフンをしたクマたちは今頃元気に山を駆け回っているのでしょうか。僕たちにフンを分析されているとは思わないでしょうね。クマの皆さんはなるべく僕たちが見つけやすいところにフンをしておいてください。今年もたくさん回収したいと思います。
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